山下 英美[作業療法学専攻]
前回の担当コラムでお伝えした通り,我が家には2本のバラがある。 1本はピンク色の羽衣という四季咲きのつるバラで,もう1本は,黄色の木香(もっこう)バラである。昨年の冬に2本のバラの住み分けを行ったかいがあって,この春は,羽衣も多くの花を付けてくれ,2本のバラの競演を見ることができた。 あらためて眺めてみると,もっこうバラのまとまりとしての美しさとは対照的に,羽衣は一つとして同じ花が無い。 かたいつぼみが少し膨らみかけたもの,花びらがほどけるように広がり始めたもの,幾重にも花びらが重なり花自身の重みでうつむくように咲いているもの。 太陽の光を受けて咲く姿に,眩しさで目を細めることもあり,ひっそりとアーチの下で咲く姿にはっとさせられることもある。雨にぬれれば,また別の表情を見せてくれる。 それぞれの花にそれぞれの美しさがあり,その花自体の日々移りゆく変化の一瞬一瞬にまた美しさがある。 ちょうどゴールデンウィークの最中で,世間は家を空ける人も多い中,今年は遠出をすることも無かったが,羽衣の毎日の移ろいを眺める楽しみを満喫できた日々であった。 【2本のバラの競演】 【雨にぬれた羽衣】
教員リレーコラム