教員リレーコラム

「夏が来た…そして、オリンピック、パラリンピックも始まるよ」

鳥居 昭久 [理学療法学専攻]

各地で梅雨明けの便りが聞こえてきます。いよいよ暑い夏に突入していますね。相変わらず、清須の夏は蒸し暑いので、何年勤務しても慣れることは無いようです。  さて、今年の夏は4年に一度のスポーツの祭典、夏のオリンピック・パラリンピックがブラジルのリオデジャネイロで開催されます。ブラジルは、地球規模に考えると日本の正反対の位置にある国ですから、日本の真夏は、ブラジルの真冬ですね。しかし、リオデジャネイロを含めて亜熱帯地域ですから、真冬と言っても、日本とは全く違って温暖な気候のようです。現地からの情報によると、それでも朝晩は冷え込みもあるようで、長袖のシャツは欠かせないそうですから、ブラジルとしては冬なんでしょうか…。  今回の注目は? …というと、ほとんどの人がオリンピックでの水泳や体操競技などの日本選手の活躍を思い浮かべるかもしれません。しかし、本学での最大の注目は、パラリンピックの陸上競技をおいて他にはありません。なんと、本学の現役学生、前川楓さん(理学療法学専攻1年生)が日本代表の選手として選ばれ、このリオデジャネイロパラリンピックに出場するのです! 前川さんは、中学校の時に事故で片足を失いましたが、苦闘のリハビリを乗り越えて、高校時代に義足のランナーとしてデビュー。みるみる頭角を現し、日本代表選手にまで上り詰めてきました。それと同時に、自らの体験から、障害を持つ人たちの役に立ちたいと理学療法士を目指して本学に入学してきたのです。この決意と、目標は我々に勇気と元気とやる気を与えてくれています。そんな、前川さんが出場するパラリンピックに注目しないわけがありません! 日本とは12時間の時差。すなわち日本とは正反対の時間帯ですから、生中継を見るには眠たい時間ですが、多くの人が中継を見ながら応援してくれると嬉しいですね。 実は、私は今回も、日本選手団のJPC本部でトレーナー活動をするためにリオデジャネイロに行っています。でも、たぶん、彼女のレース中には仕事していて、彼女の走りを見ることはできないだろうなぁ…。 そうです、多くの若者が憧れるトレーナー業務というのは裏方仕事です。朝、選手が起きる前から準備して、次から次へとトレーナー室へやって来る多くの選手の対応をしていると、気が付いたら夜中…、なんてことが当たり前の生業です。でも、それが理学療法士であり、スポーツトレーナーである私の生き甲斐でもありますけどね。ですから、私は近くて遠いトレーナー室で、応援しています。 “がんばれぇ~、かえでぇ~!”って、心の声で。
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