教員リレーコラム

「技術を学ぶ」

木村 菜穂子[理学療法学専攻]

 本学も夏休み後は後期の授業が始まっています。特に1年生は前期と比べ、PT専攻・OT専攻共に、より専門性の高い内容となっているはずです。  PT専攻では、「人体触察法実習」と「検査測定法実習」の2つの実技科目がスタートしました。私は、どちらの科目にも関わっていますが、毎年「技術」を伝えることの難しさを感じています。もちろん教科書があり、参考図書も今では数多く出版されています。それらを見れば、正しい方法はわかると思うのです。でも、実技は「わかる」のと「できる」のは大きく異なることが多いです。「正しい方法」は頭で理解しても、それを実際に「できる」ところまで技術として習得するためには、「反復」が必要です。みなさんも、自転車に乗れるようになるまでには、乗り方を教えてもらい、何度も何度も転んで、それでも起きてまた転んで・・・いつしか乗れるようになったときには、「何で乗れなかったのか?」が分からないようになる、という経験をしたはずです。知識もそうですが、技術はさらに簡単には身につきません。さらに、「友達相手にできるようになった」としても、それを「患者さんに対してできるようになる」ためには、さらにさまざまな能力や知識が必要となります。  1年生で学ぶいずれの技術も基礎的なものですが、これがないと臨床での評価や治療で応用はききません。触察は臨床で働いている人たちもさらなる技術を求めて、セミナーなどで学ぶ方が多くおられます。正直、私も学生時代は触察の授業はあまり得意ではありませんでした(お恥ずかしい・・・)が、臨床で必要性を強く感じました。学生の皆さんも、臨床に直結しているこれらの技術を、より高い精度で身につけることができるよう、取り組んでいただきたいと思います。皆さんにより正しく、高い技術を学生時代に学んでもらえるよう、我々教員もがんばります!
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