加藤 真夕美[作業療法学専攻]
最近購入したもので「これはいい!」と思ったもの。 それはアイスクリームスプーンとバターナイフです。 どちらもアルミ製のもので、手の熱がスプーンやナイフの先に伝わり じわじわとアイスクリームを溶かしてくれるので アイスクリームや硬いバターがうそのようにすくいやすくてびっくり。 カチンコチンのカップアイスをガンガンと削るストレスから開放されました。 常温で少し置いておけばよいという話もありますがそれはさておき。 スプーンやバターナイフはお祝い事などのもらいもので間に合わせていたので 自分でわざわざ購入したことがなく「あればいい」といった感じだったのですが 「すくいやすい」のキャッチコピーに惹かれて思わず購入。 久々の喜びを伴う買い物でした。ささやかですが。 便利な道具といっても、ハイテクなわけではなく 素材がステンレスからアルミに変わっただけ。 熱伝導効率の良さを利用した発想の転換が、人を笑顔にする鍵でした。 「これが当たり前」と思って考えることをそこで止めてしまうと 生活はそれ以上豊かになりません。 それはそれでよいのかもしれませんが、少しだけ違う方向から 同じものを見てみると、今まで経験したことのないような世界が 現れるかもしれません。 自身の生活を振り返ると、「当たり前」とも思わずに自動的に常道的に 行ってしまっていることがいかに多いことか。 私たち作業療法士の仕事は、患者様にとって使いやすい道具を作成したり 既製品を別の用途として使用して、生活しやすくするといったお手伝いも 行います。 作業療法士も「当たり前」という思い込みとじっくり向き合っていく必要があります。 小さなスプーンやバターナイフを手にして、いろいろと楽しい発想ができました。
教員リレーコラム