教員リレーコラム

「オトナ?…」

鳥居 昭久 [理学療法学専攻]

先日、ある学生二人の会話です。 A「今週、誕生日なんだぁ~。」 B「Aさん、20歳?いいなぁ。」 A「やだよ、もう20歳なんだもん。私のまわりは、みんな18歳だよ(>.<)。」 B「いいじゃん、飲みに行けるし!。私なんて、まだ一年近くあるから...。」 (...の先は、何を言っていたかは、ここでは内緒です) ちなみに、 Aさんは、事情があって1年生、4月上旬生まれ。Bさんは、2年生で、2月生まれ。つまり、この学校では年下の先輩と、年上の後輩。高校までは同学年という間柄。 20歳になったら、堂々と飲みに行けるのがいいのか、18歳がたくさんいる集団の中で、20歳はオバさん扱いされるのがいやなのか...、それぞれの思惑があって面白かった。ただ、飲みに行けるから20歳になりたいのや、20歳でオバさんだからいやでは、齢五十を超えた私にしてみたら、どちらも何だか困った会話ではある。 さて、少年法、選挙権、成人年齢の引き下げが話題になっている。近く法制化する可能性も出てきた。 ここで改めて、成人、オトナになるとはどんなことなのだろうか?もちろん、酒やタバコを許可することが目的で成人になるわけではない。それどころか、現状でも二十歳になる前にお酒もタバコも知っている若者が少なからず居るわけで、成人式の時に酔っぱらって暴れ回る愚か者が一部いるくらいで、ほとんどの若者が酒やタバコを吸える権利があることに意義を感じているとは思っていないだろう。 例えば、選挙権。選挙権が与えられるということは、この国を動かす権利が与えられるということである。現状でも20代の有権者の投票率は低いようだから、そこに19歳、18歳が加わったところで投票率が上がるとは考えられないが、絶対的な票数は確実に増えるだろうし、若者の流行に選挙結果が左右されかねないという心配もあるかもしれない。 私自身は、18歳で国の行く末を論じられるだけの教育が成されているかどうかを心配してしまう。成人年齢の引き下げ論議の一方で、現代の若者の幼児化も危惧されている。すなわち、大学生であっても、義務教育レベルの指導が必要になる場面も少なくない。この国が抱える多くの問題を論じ、解決するために選挙が行われ、自治体や国へ代表を送り込むのである。しかし、投票する側は、時事問題も、この国の歴史も、取り巻く国際関係にも興味が無い若者が少なくない。このまま、年齢論議だけ進んで良いのかと思ってしまう。多くの人が主張しているように、年齢引き下げ論議と同時に、教育のあり方を真剣に考えたい。 (今回は、何だかつまらない話になってしまったかも...ぶつぶつ...)
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