美和 千尋[作業療法学専攻]
最近、日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が、 血圧やコレステロールの値などについて、新しい基準を提出しました。 それは、現在の健康診断で正常とされている数値の範囲を 大幅に緩めるべきだとする調査結果です。 2011年に人間ドックを受けた約150万人のうち、病気にかかっておらず、 薬も飲んでいない極めて健康な男女を約1万人の検査データを解析したものです。 その値は、血圧値で人間ドックの基準値では 最高血圧が129mmHg以下、最低血圧が84mmHg以下でしたが、 今回新しく提出された値は、 88~147mmHg、51~94mmHgと異なるものでした。 私も年1回、健康診断を受け、 人間ドックの基準値より多いと、検査結果に「H」マークがつけられ、 医者にかかるか、生活習慣を見直すように指導されました。 もし、今回の新しい基準で評価されると 恐怖の「H」マークはつけられないものが多くあったように思います。 また、薬なども飲む必要がないものもあったでしょう。 一体、「健康」とはなんだろう? どうやって、以前の基準は作られたのであろう? 真実にはエビデンス(証明)が必要と指導されてきたものとしては、 新しく出された基準の方が信頼性の高い値であろうと思うほうが納得します。 世の中には色々な不思議が隠されている。 ―いや~、実におもしろい―
教員リレーコラム