教員リレーコラム

「やる!」を選び取る

山下 英美[作業療法学専攻]

先日「地域リハビリテーション専門職介護予防指導者育成事業全体会」に参加してきました。 現在,理学療法士・作業療法士の働く場所の多くは病院であり,対象者は病気やけがで障害を持った方々です。しかし今後,地域で生活されている,少し体力の無くなってきた方々や少し物忘れが始まった方々等に対して,病気やけがを予防するために関わる場面も増えてきます。 この研修会の中で,”PT・OT・STといった専門職は,地域の方々が,活動を「主体的・自主的・自律的」に行うように支援することが大切だ”と話された方がいらっしゃいました。そしてこの3つの逆は「干渉・保護・支配・制約」であって,ともするとセラピストがやってしまいがちな関わり方だとも仰っていました。 セラピストは,地域の方々に力があることに気付き,地域の方々が結果の責任を引き受ける覚悟を持ち,「やる!」を選び取るように「主体的・自主的・自律的」に行動することを支援し,行動が始まった後に,修正する作業に関わることが大切だとも仰っていました。さらにセラピストは,地域の方々がしたいことの道筋をしっかり示すことができるように,役割や方針を明確にしておくよう助言することが大切であるとのことでした。 さて,私の日々の学生さんとの関わりについて振り返ってみると…… ついつい先回りして過干渉になったり過保護になってしまったりと,思い当たる所が多く,また支配・制約といったメッセージを知らず知らずのうちに送っているかもしれないと反省しました。そして,何よりも,学生さんの中にある力を見逃してはいけないと強く感じました。 教員の役割は,学生さんの「やりたい!」を引き出し,学生さんが動き出した時に,やりたいことを実現するまでの道筋をはっきりさせることと,必要に応じて修正のお手伝いをすることなのかもしれません。 1・2年生(OT専攻)の皆さん,もうすぐ実習ですね。何を確かめに行くか準備はいいですか。 3年生の皆さん,この春には社会人ですね。そのための国家試験勉強です。 皆さん一人ひとりが結果の責任を引き受ける覚悟を持ち,「やる!」を選び取ることを応援しています。
TOP